【わかりやすく解説】iDeCoとは?概要や向いている人・iDeCoの始め方
「老後の年金を今から少しずつ準備しておきたい」
「iDeCo(イデコ)という言葉はよく聞くけれど、どういうものなのかよくわからない」
このコラムは、そんなお悩みをお持ちの方に向けてお届けします。
iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金のことで、自分自身の老後資金を自分で用意する私的年金制度のひとつです。
掛金や運用商品は全て自分自身で選択することができ、掛金とその運用益の合計額が退職所得控除や公的年金控除の範囲内であれば非課税で受け取れるメリットがあります。
このコラムでは、iDeCoの概要やメリットはもちろん、iDeCoを始めるのに向いている人、そしてiDeCoの始め方・注意点まで、初心者の方でもわかりやすく解説します。
- iDeCoは「自分で備える老後の年金」
- iDeCoの2大メリット
- iDeCoに加入できる人は?掛金の上限額は?
- iDeCoの始め方
- iDeCoを始めるときの注意点
- iDeCoに関してよくある質問&回答
- まとめ
iDeCoは「自分で備える老後の年金」
iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)は「自分で備える老後の年金」のことです。
年金は主に「公的年金」「企業年金」「私的年金」の3種類に分けられます。
iDeCoは制度上「私的年金」の一種ですが、他の私的年金とは異なり国が用意している制度です。
iDeCoは「確定拠出」であり、決まった金額を積立(拠出)して金融商品で運用するものです。
同じ確定拠出でも、iDeCoとは別に「企業型DC(確定拠出年金)」という企業型年金も存在します。
iDeCoのしくみ
iDeCoは、掛金を拠出・運用して、60歳以降に掛金と運用益の合計を年金として受け取るものです。
掛金の上限額は人によって異なりますが、その範囲内なら自分で自由に設定できて、運用する商品もラインアップの中から自分で選べます。
運用成果に応じて、60歳以降に受け取れる年金の金額は変動します。
iDeCoで運用できる投資商品
iDeCoは、積立(拠出)した掛金で運用する商品を、自分で選択できます。
商品の種類は金融機関によって異なりますが、主に以下の2つのタイプの商品があります。
- 元本確保型:定期預金、保険
- 価格変動型:投資信託
「元本確保型」は定期預金や保険で運用するものです。
掛金を大きく増やすことは期待できませんが、原則として元本が確保されるので安全に運用できるメリットがあります。
一方の「価格変動型」は、国内・海外の株式や債券などが組み入れられた投資信託で運用するものです。
投資信託の値動きによっては元本割れのリスクがありますが、元本確保型よりも大きな収益が期待できます。
複数の資産を組み合わせたバランス型の商品もあり、リスクを分散して運用できます。
iDeCoは、ラインアップの中から元本確保型の商品と価格変動型の商品を組み合わせて投資できます。狙いたいリターンや許容できるリスクによって、両者の商品の割合を設定しましょう。
iDeCoの2大メリット
iDeCoは老後の資産形成に役立つ制度ですが、どのようなメリットがあるのか疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
ここからは、iDeCoのメリットについてご紹介します。
積立時・運用時・受取時に手厚い税制優遇が受けられる
iDeCoは「積立時」「運用時」「受取時」それぞれのタイミングで税制優遇を受けることができます。
節税効果こそがiDeCoにおける最大のメリットといっても過言ではありません。
具体的な税制優遇の内容は以下のとおりです。
- 積立時:
積み立てた掛金は、全額が所得控除の対象になります。 - 運用時:
掛金を運用して出た運用益は全額が非課税になります。 - 受取時:
一括受取の場合は退職所得控除の対象、年金受取の場合は公的年金等控除の対象になります。
iDeCoの節税効果についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのコラムもあわせて読んでみてください。
長期的に積立できてリスクを分散させることができる
iDeCoのもう一つのメリットは、長期的な積立によって価格変動のリスクを分散できる点です。
iDeCoは、原則として60歳まで掛金を拠出し続けるしくみです。
定期的に一定の金額を積み立て続けることで、ドル・コスト平均法によって価格変動のリスクを分散させることができます。
例えば、合計4万円の投資を行う場合、最初に4万円分購入した場合と、毎月1万円ずつ4ヵ月に分けて購入した場合とでは、平均購入単価に以下のような差が生まれます。
参考:金融庁「高校向け 金融経済教育指導教材 第4章『貯める・増やす』」
積立購入によって、投資信託の価格が安いときに口数を多く購入できているため、平均購入単価を下げられます。
そのため、いわゆる「高値づかみ」をしてしまう可能性を減らすことができるのです。
iDeCoに加入できる人は?掛金の上限額は?
iDeCoは、20歳〜65歳未満の国民年金・厚生年金の被保険者であれば、原則として誰でも加入できます。
加入対象外となるのは、以下のようなケースです。
- 農業年金の被保険者の方
- 国民年金の保険料納付を免除(一部免除を含む)されている方
- 勤務先で加入している企業型DCの掛金が各月拠出となっていない方
- マッチング拠出のある企業型DCに加入していて、マッチング拠出を選択している方
また、これまでiDeCoに加入できるのは60歳未満の方に限られていましたが、2022年10月の法改正で、65歳未満の方でも一定条件を満たしていれば加入できるようになりました。
50代や60代からiDeCoを始めるメリットについては、こちらのコラムもあわせて読んでみてください。
iDeCoに向いている人
iDeCo以外にも、長期積立投資ができる仕組みは存在しますが、iDeCoを使った投資に向いているのは、以下3つのどれか1つに当てはまる方です。
- ①安定収入が見込める方
- ②退職金だけでは老後が心配な方
- ③20代・30代などの若い方
iDeCoの利用を検討している方は、ご自分が当てはまっているかどうかチェックしてみましょう。
①安定収入が見込める方
iDeCoはあくまでも投資であるため、余裕資金から掛金を拠出することが大切です。
よって、安定した収入が見込める方であればiDeCoに向いているといえます。
目安としては、手元に手取りの3ヵ月分程度の貯蓄がある状態からスタートすると良いでしょう。
②退職金だけでは老後が心配な方
iDeCoは、老後資金を用意するために作られた制度です。
お勤めの会社に退職金制度がなかったり、制度自体はあっても金額が少なかったりする場合はiDeCoを活用するとよいでしょう。
③20代・30代などの若い方
20〜30代の若い世代の方であれば、iDeCoを積極的に活用することをおすすめします。
iDeCoは長期で積立投資することを前提とした制度です。
積立投資の性質上、若いうちからスタートして、投資に当てる時間を長く取ることで、時間を味方につけて価格変動リスクを分散させながら運用できます。
ただし、iDeCoはあくまでも余剰資金で拠出するものなので、日々の生活費を削ってまで無理に積み立てする必要はありません。
拠出できる掛金の上限額
iDeCoに拠出する掛金は、5,000円以上・1,000円単位で自由に決めることができます。
ただし、職業や加入している年金によって、iDeCoに拠出できる金額には上限があります。
加入資格ごとの掛金の上限額をまとめました。
あなたの職業 | 掛金の上限額 | |
---|---|---|
①自営業者、個人事業主(フリーランス) (国民年金第1号被保険者・任意加入被保険者) |
月額68,000円 (年額816,000円) |
|
会社員・公務員等 (国民年金第2号被保険者) |
②会社に企業年金がない方 | 月額23,000円 (年額276,000円) |
③企業型DCのみ加入している方 | 月額55,000円から 企業型DCの掛金額を引いた額 ※月額20,000円まで |
|
④企業型DCとDB(確定給付企業年金等)※に加入している会社員の方 | 月額27,500円から 企業型DCの掛金額を引いた額 ※月額12,000円まで |
|
⑤DBのみ加入している会社員の方 | 月額12,000円 (年額144,000円) |
|
⑥公務員の方 | ||
⑦専業主婦(夫)の方(国民年金第3号被保険者) | 月額23,000円 (年額276,000円) |
- ※DB(確定給付企業年金等)=確定給付企業年金、厚生年金基金、石炭鉱業年金基金、私立学校教職員共済
iDeCoの拠出上限金額や、実際に拠出する金額を決めるポイントは「iDeCoの掛金上限はいくら?毎月の拠出額を決めるポイントも解説」のコラムで詳しくご紹介しています。
iDeCoの始め方
iDeCoを始めるには4つのステップがあります。
詳しくは「【保存版】iDeCoの始め方を総まとめ!新規加入・企業型DCからの移換も解説」で解説しています。
iDeCoを始めるときの注意点
ここまでご紹介してきたように、iDeCoは老後の資産形成のために役立つ制度です。
しかし、始めるにあたっては注意すべきポイントもあります。
- ①60歳まで引き出せず、途中解約も原則NG
- ②元本割れのリスクがある
- ③手数料がかかる
一つずつ詳しく解説します。しっかり確認しておきましょう。
①60歳まで引き出せず、途中解約も原則NG
iDeCoは「確定拠出年金」という性質上、例外※を除き、60歳より前に引き出しすることはできません。
- ※加入者が重度の障害を負ったり、死亡したりした場合。
また、給付金を受け取るためには、iDeCoに10年以上(60歳以上で加入した場合は5年以上)加入する必要があります。
50歳以上で加入した場合など、iDeCoに加入した期間が10年(60歳以上で加入した場合は5年)未満の場合は、60歳よりも後にならないと給付金を受け取ることができません。
iDeCoに加入した時点の年齢と、iDeCoの給付金を受け取れるようになる年齢(受給開始年齢)を下の図にまとめましたので、参考にしてみてください。
②元本割れのリスクがある
iDeCoの運用商品は「元本確保型」と「価格変動型」の2種類から選べますが、価格変動型(投資信託)の場合、長期投資であっても元本割れする可能性があります。
ドル・コスト平均法はあくまでもリスクを抑える手法であり、確実に元本割れのリスクを無くせるわけではありません。
逆に、元本確保型の投資商品を選べば元本割れは防げますが、運用益もその分小さくなります。
安全性を重視するか、より大きなリターンを重視するか、よく考えて運用商品を選びましょう。
③手数料がかかる
iDeCoは開始時や毎月の拠出時、60歳以降に年金を受け取る際に以下の手数料がかかります。
タイミング | 手数料の支払先 | 金額 |
---|---|---|
加入時・移換時 | 国民年金基金連合会 | 2,829円 |
掛金拠出時 | 国民年金基金連合会 | 105円/月 |
運営管理機関 (証券会社・銀行など) |
機関ごとに異なる。 無料の機関もある。 |
|
事務委託先金融機関 (信託銀行) |
66円/月 | |
年金受給時 | 事務委託先金融機関 (信託銀行) |
440円/回 |
引用:iDeCo公式サイト『手数料について』
iDeCoは長い期間をかけて掛金を拠出するものであるため、1回あたりにかかる手数料は少ないと思っても、積み重なれば大きな金額になります。
このような手数料がかかることも考慮して運用商品を選びましょう。
iDeCoに関してよくある質問&回答
最後に、iDeCoに関するよくある質問を紹介します。
iDeCoに加入しようか検討している方は、事前にチェックしておきましょう。
Q. 転職したとき、これまでのiDeCoはどうなる?
転職してもそのまま拠出を続けられます。
転職先の企業に企業型DCがある場合は、iDeCoで積み立てた資産を企業型DCに移換することも可能です。
Q. もしも金融機関が破綻してしまったら、資産はどうなるの?
iDeCoの資産は、金融機関が破綻しても保護されます。
運用商品が価格変動型(投資信託)の場合は全額が保護の対象となります。
元本確保型(定期預金)の場合は、預金保護制度によって元本1,000万円までとその利息分が保護されます。
同じ金融機関でiDeCo以外にも預貯金を保有している場合は、それらの金額と合算で計算します。
まとめ
このコラムでは、iDeCoの概要やメリット、向いている人、始め方と利用時の注意点について解説してきました。
iDeCoは「税制優遇」と「長期投資による元本割れリスク抑制」の2つのメリットがあり、老後資金の準備にぴったりな制度です。
このコラムを参考にしながら、人生100年時代を生き抜く準備を始めてみてください。
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